役員対談

役員対談:松山興産㈱の現状と課題、そして将来展望を語る

代表取締役 鳥井 貞宏 TORII SADAHIRO
専務取締役 鳥井 綾乃 TORII AYANO


長年にわたり経営者として陣頭指揮を執ってきた鳥井貞宏社長と、

今後の経営を託された鳥井綾乃専務が、業界動向や会社の課題、将来展望などについて語り合いました。


社長:現在、サービスステーション(SS)を3ヵ所で展開しており、毎月約20,000台の利用がありますが、今後は少子高齢化や若者の車離れ、ハイブリッドカーや電気自動車の普及により化石燃料の需要は先細りが予測されます。しかし需要が一晩で無くなる訳ではないので残された時間を有効活用し、地域の潜在需要を掘り起こしていくことは可能だと思います。

 

専務:おっしゃる通り、売上に占めるSS部門のボリュームが小さくなっていくことは確実でしょう。一方で、当社は工場や船舶に燃料潤滑油を販売している外販部門が好調で、現在、売上の約75%を占めています。こちらはSSに比べると外的要因を受けにくく、今後も営業エリアを拡大できるため経営の大黒柱として収益を上げつつ、SSの新たな活用法を模索していこうと考えています。

 

社長:現在のSSはガソリンや軽油、灯油の販売が中心ですが、電気自動車や水素自動車が普及していくと化石燃料は不要になります。当社のSSでもEV対応は徐々に進んでいくと思いますが、水素ステーションは建設に莫大なコストがかかるため四国で普及するのはもうしばらく先でしょうね。

 

専務:SSの販売品目やサービス内容は時代とともに変化していくと思います。実際、当社は創業以来フルサービス店を運営していましたが、2004(平成16)年からセルフサービス店の運営に乗り出しました。大切なことは「地域のお客様の要望にお応えする」ということだと思います。

 

 

社長:フルサービス店のスタッフはお客様にオイル交換や定期点検などさまざまな提案をしていますが、現在、当社で車検や保険を利用されているお客様は来店顧客の1%ほどしかありません。逆に考えれば、フルサービス店には潜在需要がかなりあるということです。

 

専務:その需要を引き出すには、スタッフのコミュニケーション能力が鍵になると思います。また普段から地域の方々と良好な関係を築いておくことも重要でしょう。そのためには単なる給油場所としてだけでなく、コミュニケーションスペースとしてSSを活用してもらいたいですね。例えば小さなカフェスペースを併設し、散歩中に気軽に寄っていただくとか。SSの存在価値をあえて自動車から切り離すことで、運転しない方や子どもたちが訪れやすくなると思います。

 

社長:そう言えば、当社のSSは地域の方々と商売抜きの接点がありますね。

 

専務:「ユーティーまさきSS」は子どもたちの避難場所になっており、何かあったときに来てもらえればスタッフが保護することになっています。最近も熱中症で駆け込んできたお子さんがいました。また松前町とは2014(平成26)年に「災害時等における物資供給協力に関する協定」および「災害時における応急対策業務の協力に関する協定」を結んでおり、緊急車両への優先給油や避難場所を提供することになっています。

 

社長:中学生の「職場体験」も受け入れていますね。

 

専務:以前はSSで受け入れていましたが車が頻繁に出入りして危険ということもあり、現在は当社が運営するコインランドリーに来てもらっています。

 

 

 社長:地域の歴史を紹介するという点では、「ユーティーまさきSS」の壁面の“おたたさん”の絵も地域貢献に一役買っているのでは。

 

専務:そうですね。“おたたさん”を知らない方もいらっしゃるので町のPRになっていると思います。また「ユーティーまさきSS」の利用者の多くは“出光のスタンド”としてではなく、“おたたさんのスタンド”として認識されているので、他社のSSとの差別化にもつながっています。

 

 

社長:近い将来、専務に会社を任せるつもりですが、どのような将来展望を描いていますか。

 

専務:国内、特に地方で自動車に関係する市場が縮小していく中、まずは現状の事業規模を維持していくことが重要だと考えています。事業の柱は石油製品の販売事業と修理・点検などの自動車関連事業で変わらないと思いますが、時代の流れとともに臨機応変に対処していくことも必要です。社長がカーリース事業やレンタカー事業を始められたのも、将来の需要を見越してだと思います。

 

社長:現在、エネルギー業界はかなりのスピードで再編が進んでおり、その結果、メーカー側の経営戦略が不透明な中で販売店は商売を続けていかなければなりません。当面は現状の中で少しずつでも利益を出し続け、再投資できるだけの体力を付ける必要があると思います。その上でタイミングを見て異業種に参入するなど、臨機応変な経営を期待しています。

 

専務:社長がこれまでされてきた「お客様のことを第一に考え、どんなご要望にもお応えする」という考え方や、「地域密着型の販売店」という方向性を継承しながら、従業員の皆さんと一緒に新しい会社の姿を描いていこうと思います。これからもご指導をお願いします。


松山興産株式会社

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